伝統から知るものの価値

京都の伝統産業といえば「西陣織」「京友禅」が知られているが、他にも竹工芸や漆、指物など、京都伝統産業として74もの品目があることにまず驚く。「京友禅」の展示では、図案作成から完成までに、10の工程があるが、描かれた模様に色が混ざらないよう、その模様の上に糊を置く「伏糊」という緻密な作業も紹介されていて、白い生地が段々と色鮮やかに色づいていく様子が見られる。完成に至るまでの人の手による緻密な工程を知ると、そのものが持つ価値に気づく。加えて、伝統産業品の多くは自然に存在する素材を用いてつくられているため、手入れや修理をしながら長い時を経ても使い続けることができる。長く使い、愛着が増すことで、自然にものを大切にする心を育むことができるのだ。（田辺由保 ／仏壇屋広報）

京都府京都市左京区岡崎成勝寺町9-1 B1F
Tel: 075-762-2670
9時～17時（入館は16時30分まで）
夏季休館日あり、年末年始休
東山駅より徒歩で約10分
https://kmtc.jp/