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News & Topics2023.08.22
開催レポート
2023.08.22

<開催レポート>5/27開催「循環フェス@梅小路公園」
開催レポート

循環フェス@梅小路公園を開催しました!

令和5年5月27日(土)午前10時~午後4時にリユースの祭典!循環フェス@梅小路公園を開催しました。
今回は、循環ステージの総合司会を務めた、学生実行委員の新(しん)さんに当日の様子をレポートしていただきます!


はじめに

みなさんこんにちは。循環フェス実行委員・学生運営企画の新です!

私は京都外国語大学に通う大学4年生です。現在は一年間大学を休学し、服の生産に携わる工場を視察したり、自身で洋服のリメイクをしながらサーキュラーファッションについて勉強しています。

デザイナーをしていた母の影響もあり小さい頃からお洋服が大好きでしたが、次第に服の大量生産・大量消費に対して強い違和感を覚え、自分で何ができるのか常に模索していました。そんな最中、大学3年生の時に出会ったのが循環フェス。今は学生運営企画として、ステージイベントを企画したり、循環にまつわる出店者を探すなどのお手伝いをさせていただいています。また今回の循環フェスでは拙いながら開会式・閉会式のMCを務めさせていただきました。

今回は5月27日に梅小路公園で開催された、循環フェス@梅小路公園の様子をレポートしていきます。

循環フェスとは

循環フェスは、京都市を中心に新しい古着の循環の仕組みを若者と共に広げるリユースの祭典。
イベントでは使用済衣服の回収ボックス『RELEASE⇔CATCH(リリース・キャッチ)』による古着の回収や、回収された古着のうちお気に入りのものを3点まで¥0でお持ち帰りいただける『¥0Market』を開催しています。

ほかにもリユースやリサイクルに触れることができるワークショップや展示、ステージイベントなどの企画、安心安全な食材で美味しいフードマルシェなど、参加者の皆さんが楽しみながら循環を知ることができる企画が詰まったイベントです。

会場の様子

当日はとてもありがたいことに、なんと来場者数約12,000人!
リサイクルや古着に興味のある若者や、環境問題を重要視する方、お子様連れのご家族、さらには県外からもたくさんお越しいただきました。

回収

今回の循環フェスではなんと約1.8トンの衣服を回収!梅小路公園での開催ということもあり、成人服はもちろんのこと子供服も多く回収されました。

¥0Market

また¥0Marketでは、800人以上の方に計1798点のお洋服を持ち帰っていただきました。ご来場者の皆様は、一枚一枚お洋服を確認し、宝探しのようにお気に入りの一枚を探すことを楽しんでいただいている様子。

イベント開催と同時に¥0Marketにはすでに長蛇の列。
イベント開催時から閉会時まで途切れることなく大賑わいを見せていました。

実際循環フェスの取り組みが地球に与える影響はどれほどなのでしょうか。

今回回収した1.8トンの衣服が回収されなければ、通常ごみとして出され焼却処理されてしまいます。また、持ち帰られた1,798点のお洋服が古着として活用されることで、新規製造分のCO2排出量を削減することができます。

これらの取組によるCO2削減量は45.85トン。これは5,520本の杉の木が一年間で吸収するCO2量に匹敵します(※)。

みなさまのご協力とお洋服の持ち込みにより、捨てられるはずだったお洋服たちが新たな居場所を見つけると同時に、環境への負荷も軽減することができました。

(※)40年生のスギが1年間に吸収する二酸化炭素の量を8.8キログラムとして算出(林野庁HP参照:https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/20141113_topics2_2.html

また今回の循環フェスから新たな取り組みとして、出展者様による羽毛ふとんと自転車、そしてアクセサリーの回収企画が行われました。

羽毛ふとんは株式会社IWATA様により28枚(その他寝具11枚)が回収されました。回収された羽毛ふとんはリサイクルダウンとして、新たな製品に生まれ変わります。

自転車は株式会社エイリン様により54台回収されました。まだ使用できるものは再利用され、ゴムはエネルギー化、アルミやプラスチックはマテリアルリサイクルされます。

またアクセサリーは学生団体兼ブランド「potential」様により1.7kg回収されました。現物のまま使用できるものは魅力を活かし、アップサイクルアクセサリーへと生まれ変わらせます。現物のまま使用できないものについてはアート作品へと生まれ変わらせます。

ステージイベント

また会場中央にあるステージにて、一日を通してステージ・トークイベントを開催!
学生が主体となりステージイベントを企画し、多くの学生と各テーマにまつわる大人の方々に登壇していただきました。

価値観の異なる世代同士が同じテーマに対してトークを繰り広げます。ご来場者様、そして登壇者自身も学びがある、発見に満ちた空間でした。

中でも今回から始まったJUNKAN FASHION SHOW 2023 Spring/Summerは大好評!

『Release⇆Catch』で集まった古着を美大/芸大の学生たちが発想豊かにリメイクし、ファッションショーを開催。国内古着を新たに輝かせ、ゴミだと思われていたものをハイセンスなお洋服に変身させる様子は、見ていて胸を踊らせる時間でした。

循環マーケット、マルシェ、ワークショップ、展示

循環フェスでは他にも循環にまつわる充実したコンテンツがあります。

『循環マーケット』

古着ショップやリサイクルショップ、アップサイクルブランドが多く集まります。古着好きの方は間違いなく一度は耳にしたことがある古着屋さんが一度に大集結。古着を試したことがない方・普段古着を着ない方も、新たな発見があるかもしれません!

『循環マルシェ』

添加物やケミカルなものをなるべく使わない飲食店が集まるマルシェ。今回の循環フェスではなんと26店舗の飲食店様に出店いただきました。カレーやタコス、コロッケといったご飯系からカヌレやかき氷、さらにはお酒やオリーブオイルといった多種多様な飲食店様が集まり、一日中、飽きることなく美味しい食事をお楽しみいただけます。

また今回新たに、飲食店から出た食品の使い残しや食べ残しを堆肥化させる「資源が“くるり”プロジェクト」の取り組みが始まりました!梅小路公園にあるコンポストステーションで堆肥に生まれ変わらせ、それらを梅小路公園の植栽へ使用します。


(写真左)梅小路公園内にあるコンポストステーション(写真右)コンポストに食品残差を入れる様子

しかし今回マルシェから出た生ごみの量は、なんとたった550g!食ロスが少ないところも循環マルシェの魅力と言えます。

『循環ワークショップ』

お子様やご家族でリユース・リサイクルを楽しみながら学ぶことができるブースです。普段なら手にすることができない伝統産業の廃材を使ってアート作品を作ったりと、お好きな作品を自由に作り、循環フェスのお土産として持ち帰る方も多くいらっしゃいました。

『循環展示』

資源の循環など、SDGsやサステナブルな取り組みを行う学生や企業の発表・展示を行っています。活動内容だけではなく、活動に対する想いも伝わる展示となっており、来場者の皆様との活発な意見交換が行われました。

まとめ

お天気に恵まれながら、終始人が途切れることなく大賑わいを見せていた循環フェス。循環やサステナブルへの関心度は年々高まり、国内古着の循環の輪も少しずつ、しかし確実に広がっていることを実感しました。

天然素材のものを選んだり、リサイクル製品を選んだり、できるだけ長く着られるものを買うなど、環境を守るために私たちができることは多くあると思います。
循環フェスに来て、服を手放し、また持ち帰る。これらもまた循環の一部となり、一プレイヤーとして環境を守る行動の一つだと考えます。

私自身、昔は古着から程遠い生活を送っていました。しかし循環フェスと出会い、古着を手に取り、着用し、今ではほぼ毎日古着をどこかに纏っています。
新しいから、ブランドものだからいいという固定概念を取っ払うと、本来のお洋服の価値を自身で確認する楽しさを知りました。そうして吟味して選んだお洋服は愛着が湧き、着るたびに手に入れた時の気持ちを思い出します。古着たちがさらに日々の服選びを楽しく、お洋服に対する思いを深めてくれました。

私が感じる循環フェスの魅力。それは物だけではなく人の想いもまた循環していること。そしてその繋がりの中で、物や人に居場所を創ることができることのように感じます。
環境に配慮した行動を取りたいから、服を手放したいから、0円で服が欲しいから、新しい人と出会いたいから、異なったそれぞれの動機が掛け合わさり一つのイベントを創り上げています。お洋服は繋がりのきっかけにすぎず、一つのイベントを通して学生と大人が繋がり、企業と来場者が繋がり、来場者同士が繋がり、そこからまた新たな輪が広がり、アイデアが募り、新たな発見と創造があります。

2023年5月27日の梅小路公園は、世代を超え、物とひとの想いが交差し循環する場となりました。


新さん、レポートありがとうございました!
次回は11月に開催予定です。次回循環フェスもお楽しみに!

*今後の循環フェス開催情報
HP:循環フェス | 古着の回収と再循環のお祭り (junkan-fes.com)
Instagram:循環フェス | 古着の回収と再循環のお祭り(@junkan.fes)
LINE:循環ズ|https://lin.ee/xIsxZ80

*衣類の回収拠点について
RELEASE⇔CATCH | 手放し方に選択肢を。 (release-catch.com)

Profile
岩崎 仁志
株式会社ヒューマンフォーラム 代表取締役

アパレル小売ブランド「SPINNS」「mumokuteki」「森」など約60店舗を展開。ファッションを通してその人らしさの表現や、豊かな生き方、暮らし方の提案をしています。2022年9月より、京都市を中心に循環フェスや、地域事業者による不用品の回収と循環インフラ構築事業「RELEASE⇔CATCH」を開始。
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資源が“くるり”プロジェクト
京都音楽博覧会 × サーキュラーエコノミー

京都音博が環境のための取り組みとして新たにはじめたプロジェクト。その取り組みのひとつとして「食品由来の廃棄物から堆肥を作るための “コンポスト” 」を梅小路公園に設置。フードエリアで出る食材や食べ残しを堆肥に変え、公園内の樹木や花壇の肥料にする取り組みです。
「京都音博」を契機に、今後の環境について考える観光コンテンツにもなる「コンポスト・ステーション」への発展を目指しています。
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株式会社ヒューマンフォーラム
アパレル・飲食

全国に「SPINNS」「mumokuteki」「USEDを拡張する進化型古着屋“森”」などアパレルやカフェなどを運営。この度、株式会社ヒューマンフォーラムが中心となり、京都市内を中心に、御家庭で不要になった衣服を回収する回収BOXを設置し、回収した衣服のうち再利用可能な衣服を販売することで、市内で循環させるプラットフォームを創出します。
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