“脱炭素な住まい方”を考える市民ワークショップを開催しました!
令和4年11月22日(火)に京都御池創生館で「脱炭素な住まい方を考える考える市民ワークショップ」を開催し、16名の方にご参加いただきました。
本ワークショップは、市民参加ワークショップ「WE LOVE KYOTO~SDGsで暮らしやすい京都の新たな魅力を創造しよう!~」の中で、【賃貸選びのポイントに「脱炭素」の視点を加えてみませんか?】をテーマに実施しました。プロのファシリテーターから指導を受けた、京都市都市計画局で住宅や建築に関する分野で働く職員がプログラムを企画・実施しました。
※ 市民参加ワークショップ「WE LOVE KYOTO~SDGsで暮らしやすい京都の新たな魅力を創造しよう!~」は、市民の皆様が市政を「自分ごと」、「みんなごと」と感じ、つながることを目的に、今年度は以下の4つのテーマについて開催されました。
- ふるさと納税で伝えよう!知られざる京都の魅力とは?
- デジタルの力であなたの幸せマシマシ大作戦!!~京都のまちで自分らしく生きる~
- まち×○○○~新たな「つながり」でまちをつくろう~
- 賃貸選びのポイントに「脱炭素」の視点を加えてみませんか?
まず、京都市環境政策局地球温暖化対策室から「2050京創ミーティング」の取組を紹介し、脱炭素ライフスタイルへの転換に向けたアクションついて情報提供しました。その後、2050年の脱炭素ライフスタイルのビジョンに掲げている、「ていねいな暮らし」「スマートな暮らし」「結う暮らし」のどれに最も共感したか、ペアで話し合いました。
次に、賃貸物件の暮らしの中で、脱炭素的に「だめだな」と思うことや、それを良くするためにはどのような仕組みがあればよいかを4名のグループで意見交換しました。途中でグループメンバーを交代するなど、様々な参加者の意見を聞き、アイデアを膨らませました。例えば、電気をつけっぱなしにしてしまうことは、センサー技術を活用することで解決できることや、備え付けのエアコンが古く省エネ性能が低いことは、省エネ性能の高い、高機能なモデルへの買い替えを賃貸オーナーに相談する、といった意見がありました。
賃貸物件での生活のイメージを膨らませたところで、「暮らしの中で何か1つ追加できるとしたら、何を追加したいか?」という問いが投げかけられました。参加者それぞれが「脱炭素で豊かな暮らし」を実現するために求めること一つを紙に書いて共有し、同じ想いを持つ人でグループを作りました。
そしてここからがワークショップのクライマックス、「空想の賃貸募集チラシ」の作成です。これまでに話し合った内容から「脱炭素な暮らしを実現するために、賃貸物件にこんな機能があったらいいな」「こんな住まいで暮らしたいな」・・・そんな参加者の理想を詰め込みつつ、立地や家賃は現実的な賃貸物件が出来上がりました。どれもユニークな賃貸募集チラシになり、もし実在したら自分が住みたいと思うことができるような素敵な住まいでした。
参加者の「アクション」宣言!
最後に、参加者のうちご協力いただける方に「脱炭素ライフスタイル」の転換に向けてこれから取り組みたいアクションについて書いていただきました。
↑ムダを減らす
↑隣人パーティで楽しくフードロスを減らす
↑マイボトル持参
↑食品ロスなくす 食べつくします!
↑ベランダで独立型(太陽光)発電
↑水を大事に使う
↑DIYをがんばります!
↑賃貸住宅の住環境をより充実させるために、専用スペース以外の共用スペースを広く確保する必要があると思いました。自然環境を敷地いっぱいに取り入れる必要があると思いました。
↑ペットボトルは買わない
ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました!
地球温暖化対策室への提言
本ワークショップ終了後、ワークショップを企画・運営した京都市職員から、地球温暖化対策室へ以下の提言がされました。
- アクションリストの項目の詳細追加
- ワークショップの更なる活用
- 対話を止めず、プロセスをオープンに
1.アクションリストの項目の詳細追加
脱炭素型なライフスタイルへの転換に向け、日々の暮らしに取り入れられる行動をまとめたアクションリスト。このうち、住まいのカテゴリーの中の住居のアクションの一つ、「28 環境配慮マンション・シェアハウスの選択」のアクションの詳細を提案いただきました。
28)環境配慮マンション・シェアハウスの選択
【環境配慮マンション・シェアハウスの例】
- 設備のアップデートはOK 、賃貸の「現状復帰」の考え方を改めていく
- 「カスタム住宅」でベース設備+オプション設備(菜園、EVなど)で自分好みの環境配慮住宅をつくる
- 必要な設備の交換を行う ⇔必要以上の交換(壁紙など)はしない
- DIYでアップサイクル、経年美化の考え方をもつ
- 家具・設備は設置済みで手ぶらで入居可(残置家具も再利用)
- 飲食店オーナーによるサスティナブルな賃貸運営
- 飲食店と連携してフードロスに
- 太陽光パネルで全電気を賄う
- 断熱サッシはデフォルトで設置
- エコ家電の導入
- 共用空間の充実(共用菜園/DIYスペース/共用パントリー/雨水利用タンク/コンポストなど)
- 水道や電気はセンサー設置で使い過ぎを防止
- 街路樹や植栽などで街中でも自然との共存
【住まい方】
- 使わなくなったものは捨てずにシェア
- 共用パントリーで、住民同士で食材をシェアする
- コンポストを利用する
- 人とのつながりも構築
- 菜園や日曜大工をおこなう(生活に余白をもつ)
2.ワークショップの更なる活用
本ワークショップでは、建築家や不動産会社、大家さんといった「住まい」に関わるプレーヤーの方にもご参加いただきました。分野横断的に多様な人と対話することで、普段では想像できないアイデアを生むことができ、また、アイデアをすぐに実行できることで、小さな変化を起こせる可能性を感じました。
今後も、求めるアイデアによって集めるステークホルダーを変化させ、ワークショップを活用したステークホルダー間の交流機会を生み続けてほしい、と提案いただきました。
(ワークショップ例)
- 京野菜農家×カフェオーナー×主婦
⇒顔の見える消費に向けた情報発信と脱炭素につながる新たな市場のアイデア
- 伝統工芸士×大学学識者×ハイテク産業技術者
⇒京都ならではの伝統工芸を活かした脱炭素化新技術のアイデア
- 林業家×コミュニケーションデザイナー×中小企業
⇒京都の森を守り育てる住まいの知恵や、京都の林業活性化につながるアイデア
- 町内会×リサイクルビジネススタートアップ企業
⇒脱炭素に向けた取組により地域のつながりを高める仕掛け
- シニア世帯×建築家×子育て世帯
⇒京都で培われた知恵を活かした若者・子育て世帯が住みたくなるまちにするアイデア
3.対話を止めず、プロセスをオープンに
「脱炭素」という問題は、すぐに答えが出るものではありません。地道でもみんなで考え続けることによって、成果が出るものではないでしょうか。
対話をする動きを止めずに、また、そのプロセスも含めて共有することで、脱炭素を考える文化や土壌を作ってほしい、と提案いただきました。
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京都市では、今後もワークショップの開催や脱炭素型のライフスタイルへの転換のきっかけとなるようなプロジェクトを生み出していきます。また、そのプロセスを2050MAGAZINEなどの様々な媒体を通じて発信していきます。
今後の取組にも乞うご期待ください!