京創ミーティング住まいWGでは、ナッジを活用した省エネ家電を購入促進するプロジェクトに取り組んでいます。
令和5年春に京都市内の大学に入学する新入生を対象に省エネ型冷蔵庫をデフォルトオプションとして提示することによる効果を検証しました。
※本プロジェクトは、環境省委託事業「令和4年度 ナッジ×デジタルによる脱炭素型ライフスタイル転換促進事業(脱炭素型ライフスタイル転換を定着させるコミュニケーションモデルの構築)」(実施事業者:(株)電通、(株)住環境計画研究所)の一環として実施
1)実証概要
背景
・在宅時間の短い若者単身層であっても冷蔵庫は常時稼働するため、選択する機器効率の差がCO2排出に大きく影響
・しかし、入学を機に一人暮らしを始める大学生は合格から入学までの期間が慌ただしく、機器選択時に省エネ性能は重視されない
仮説
新生活用の家電セットのデフォルト冷蔵庫を省エネ型にすると、省エネ型冷蔵庫の選択率が高まる
検証方法
・京創ミーティングの住まいWGのメンバーである不動産仲介事業者(株)ジェイ・エス・ビーと(株)フラットエージェンシー、ならびに新生活応援通販マガジン Debut!を発行する(株)シングルライフコミュニケーションズの協力により、不動産仲介事業者で賃貸契約をした契約者に、新生活者用の通販カタログを配布して情報発信
学生専用通販カタログDebut!
・省エネ家電をデフォルトとした新生活セットの情報(実験群)と、デフォルトでない情報(対照群)の2種類からランダムに提供
・各群の省エネ型冷蔵庫選択率を比較し効果検証
2)検証結果
・家電2点セット購入数は実験群が2件、対照群が0件
・家電2点セット購入者は100%省エネ型冷蔵庫を選択
※ 全国における販売実績の省エネ型選択率(37%)
3)本実証による考察
・家電2点セット購入数が少なくグループ間の選択率の差を検証するには至らなかったが、全国における販売実績の省エネ型選択率(37%)と比較しても、省エネ型デフォルト提示に一定の効果があったと推測される。
・今後、本実証結果を踏まえて、効果的な省エネ家電の購入促進策について検討していく。