ライフスタイル転換のための仕掛け=プロジェクト
脱炭素に貢献するけど、脱炭素だけではない。
プロジェクトを通じて、
楽しい、かっこいい、ワクワクする魅力的な「変化」が起こっています。
今回は、「菜食対応のメニューを提供する-店舗の見える化プロジェクト」を始めた、合同会社KYOTOVEGAN 代表 玉木 千佐代さん(以下、玉木さん)、有限会社ひのでやエコライフ研究所 大関 はるかさん(以下、大関さん)、株式会社よい根 代表取締役 前田 展広さん(以下、前田さん)に、プロジェクトに対する想いについてお話を伺いました。
「菜食対応のメニューを提供する-店舗の見える化プロジェクト」の取組内容はこちら(https://doyoukyoto2050.city.kyoto.lg.jp/projects/vegetarian-friendly/)をご覧ください!
プロジェクトの背景や京創ミーティング参画の動機について
玉木さん: コロナ前から活動していましたが、KYOTOVEGANの会社は2020年3月に設立しました。
— ヴィーガンは環境のことだけでなく、健康や動物福祉など、いろんな文脈含んでいると思いますが、特に環境に対して取り組んでいきたいと思ったのはなぜでしょうか。
玉木さん: ヴィーガンをいろんな人に広めていくには、環境問題との関わりは外せないと思っていましたね。実際、植物性の食事をしている人は健康や動物などいろんなことを考えていると思いますが、人と人、企業と企業をつなぐというときは、やはり環境をクローズアップした方が相性も良く、世界ともつながれるテーマとして「菜食」×「環境問題」はとても良いと思っています。

(写真:左から前田さん、玉木さん、大関さん)
— どのような流れで、前田さんから参画のお誘いがあったのでしょうか。
玉木さん: 前田さんからは、面白そうなわくわくすることが始まると言われて誘われました(笑)。京都市は昔から環境問題の取組については、他の自治体と比べて進んでいることは知っていました。また2050MAGAZINEを見せていただいたときに、脱炭素アクションリストにすでに菜食をしましょうというというアクションが入っていて、「こういう時代がついに来たか」と嬉しくなりました。行政が菜食を脱炭素行動に入れることは、コロナ前では考えられないことだったと思います。やっとKYOTOVEGANの時代が来たぞ(笑)と、わくわくしてお誘いを受けさせていただきました。
ヴィーガンという言葉の複雑さとその言葉の裏側にある人の想い
玉木さん: 懸念していたことは、いろいろ誤解があるんだろうなっていうところでしたね。2020年でもかなりヴィーガンに対する認識は広まってきていましたが、それでもまだまだ浸透していない部分はありました。KYOTOVEGANのHPを作成するときでも、制作会社の方とのコミュニケーションの中で、同じ言葉でも本意が伝わらないことはありましたね。なので、大関さんからたくさんアドバイスをもらいながら進めました。
大関さん: ヴィーガンって菜食主義というのが本来の英語の意味ですが、たぶん玉木さんが本当に望んでいることはそれをストイックにすることではなくて、選べる時には選ぼうよと、もっとゆるく楽しく勧めたいんだと思いました。なので、その「ヴィーガン」という言葉の意味合いを取り違えるリスクを、どうしたらいいかと悩む時期が最初ありましたね。
前田さん: 玉木さんとの関係は、“KYOTOVEGAN タブロイド紙” を作った時でした。ヴィーガンと京都カルチャーが繋がる内容にしたいという相談を受けて。そこから「ヴィーガンってそもそも何なのか?」や、「植物性だけでも美味しいでしょ?」みたいな話から盛り上がっていきました。
玉木さん: 私は、ヴィーガン料理を提供しているお店の方とお話しする機会がよくあります。そこで気づいたのは、菜食料理を提供する背景には、必ずその人なりの理由や物語があるということでした。私は人に興味があるので、ヴィーガンという選択を通して「なぜその人はそうしているのか」を知っていくことが、とても興味深いと感じています。

(写真:ヴィーガンツアーの様子)
“京都らしい”ヴィーガンとは
前田さん: 玉木さんは、京都はヴィーガン天国で、京都だからこそできることがあるとおっしゃっていましたね。そういった発見に加えて、たくさんの京都にあるヴィーガンの飲食店と関係性を広げていかれました。また京都には精進料理や和菓子文化など、従来の京都のライフスタイルの知見も広がってきて、「KYOTOVEGAN」というコンセプトが立ち上がったんですよね。ただ時代的に少し早すぎたってこともありました。もっと広く展開していけないかと思っていた時に京創ミーティングのお話があり、玉木さんが頭に浮かびました。
玉木さん:今まさに白砂糖の問題(白砂糖のなかには精製に牛骨炭を使用していることから、その白砂糖を使用する食べ物はヴィーガンではないという議論がある)や、育てるための肥料も鶏糞などを使わない植物性である必要があるなど、どこまでをヴィーガンとするかが混沌としています。私は「京都らしいヴィーガン」という一つの文化が根付くのが一番嬉しいと思っています。例えば、京都のヴィーガン観光として、一つの文化をみんなが勉強しに来てくれはったら面白いと思います。
前田さん:「京都らしいヴィーガン」って何でしょう。はんなりヴィーガン?(笑)

(写真:前田さん)
玉木さん:笑。はんなりヴィーガンも心地いいですが、「考え方」ですよね。京都って、オーガニックとかモノを捨てないということに対して、ほかの自治体よりすごく進んでいると思います。くるん京都さんやひのでやエコライフ研究所さんのお仕事もそうですけど、京都に住む人々は、未来の環境に負荷をかけないための選択肢について、誰かが声を上げれば、それに共感する仲間が集まるような環境にあると思います。なので、私はヴィーガンという“ツール”も使って、よりよい未来や自然を残していけると思っています。
京創ミーティング参画への期待・成果やプロジェクトで目指していたこと
玉木さん: 形としては、ほぼできたのではないかなと思っています。最近は宿泊施設の方からの問い合わせも増えてきており、ヴィーガンという言葉にみんなが注目してくるようになってきています。あとは、学生とか若い世代とのつながりも増えましたね。KYOTOVEGANのコラムがあるんですけど、それもインターンの学生たちが運営しています。
前田さん: この事務所で、商工会議所や観光協会までさまざまな主体を集めて、京創ミーティングのヴィーガン勉強会をやったんですよね。その関係で、観光案内所とのつながりや商工会議所のイベント登壇の機会が生まれました。あとは、京都マラソンもありましたね。
玉木さん: そうですね。2024年には京創ミーティングの繋がりもあって、京都マラソンのおこしやす広場でのイベントにも出展しました。その中で来場者に「ヴィーガンってどういうことに効果がありますか?」(ランナー466人に聞いた!ヴィーガン・ベジタリアン表記の意義とは?【京都マラソン2025】 | KYOTOVEGAN)と尋ねたときに、欧米諸国の方々は「環境」と答える人が圧倒的に多く、その一方で日本人は「動物」や「多様性」と答える人が多く、「環境」と答える人が少なかったことが印象的でした。

(写真:ヴィーガンMAP)
京創ミーティングのプロジェクトにおける市民の変化
玉木さん: 最近、上京区で市民講座(小川学区地域女性会×KYOTOVEGAN「おいしい地球の未来をつくる」 | エコ学区サポートセンター (公財)京都市環境保全活動推進協会)を担当しました。年齢層が高めの方にも、「ヴィーガン」という言葉を知っていただく良い機会になりました。 三条会商店街のヴィーガンツアー(EXPERIENCE | KYOTOVEGAN)の開発のときは、お店側ができるだけプラスチックを使わないようにしてくれたり、マイ容器に入れてくれるような対応をしてくれたりとか、臨機応変に対応いただきましたね。
— 玉木さんがツアーを商店街で開催したことで、お店側の変化が起き、結果的に市民の選択肢が増えたというのは、すごく大きな変化だと思います。
事務局の広報支援や事業の拡大について
玉木さん: 企業さんとお話しする際に、2050MAGAZINEを紹介しています。私の活動だけでなく、京都市の考え方も一緒にわかるので、何かあったら2050MAGAZINEを見といてくださいっていうような使い方をさせていただいています。
— 事業の規模は拡大していますか。
玉木さん: 拡大していますね。需要が増えています。あと以前も大関さんからアドバイスをもらっていた、KYOTOVEGANのヴィーガンマップをもっとユーザーさんにわかりやすく改修していきたいと思っています。今はマップにピンが立っているだけなので。
大関さん: カフェ、ラーメン、スイーツなどカテゴリに分かれているとか、利用者の要望に応えてくれるものの方が、みんなマップを使いやすくなると思います。

(写真:左から玉木さん、大関さん)
前田さん: 利用者のニーズやお困りごとに応えているんですね。出会ったころは、登録数が50店舗ぐらいだったと思いますが、今はどうですか。
玉木さん: 450店舗ぐらいに増えましたね。あとはこれをどうマネタイズしていくかが課題ですね。
京創プラットフォームをどう使っていくか、お勧めしていくか
玉木さん:他のコミュニティと違うところは、「環境問題」にとても重点を置いていることだと思っています。それこそ、京創ミーティングに入れてもらったからこそ、その考えが強くなりました。なので、ヴィーガンだけでなく、その店舗が使い捨ての容器やお箸を使っていないかとか、マイ容器持ち込みOKなどの情報もマップに記載していこうと思っています。これがあってこそ、ヴィーガンの人もそうでない人も使えるようなポイントになるとも思っていますね。そのような環境評価、もちろん美味しさ評価を星で記載するのもいいかもしれません。

(写真:三条商店街の様子)
京創プラットフォームの事務局に期待すること
玉木さん: 参画メンバーが対面で集まれるような場ですかね。あとは京創ミーティングような多岐にわたる取組を京都市の他の部署でも広げるといいと思いました。
市民に伝えたいメッセージ
玉木さん: 京都市は水も豊かで緑も近いし、畑もすぐ近くにあるので、自分が何か環境にいい生活やアクションを起こそうとするときに、仲間づくりがしやすいと思います。なので、そういう視点で買い物してみるのも楽しいと思いますね。またインターンも随時募集をしているので、興味がある方はInstagramのDMからご連絡ください。みんなで地球にいいことしていきましょう。
(インタビューは2025年8月に実施しました。)

(写真:左から、前田さん、玉木さん、大関さん)
合同会社KYOTOVEGAN代表
出身地 京都府宇治市
株式会社バンダイにてアパレルと玩具菓子の営業と市場調査の職に。20年勤務し退職、のち子育てを経て2020年に合同会社KYOTOVEGANを設立。2017年からインスタ(@diethelper)で京都のベジ飲食店の情報をあげると国内外の方が検索に使用。自然と調和し脱炭素を取り入れるライフスタイルが必要とされるなか、歴史的な街京都ならではの視点でヴィーガンをキーワードにより良い未来をめざす。 玉木 千佐代の記事一覧へ >
ヴィーガンコンテンツの開発導入支援、店舗紹介
数ある選択肢からヴィーガンを選ぶことも認め合えて、
ライフスタイルの多様性が肯定される世界を京都から実現することを目指し、
ヴィーガンを通してどんな人も肯定される社会を考え、創り続けることで
世界で最も寛容な“京都発のヴィーガンカルチャー”を育てます。 合同会社KYOTOVEGANの記事一覧へ >

