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プロジェクト実証レポート
Column2026.03.19
〈インタビュー〉里山や地域循環について知る機会の創出プロジェクト~モノの源流を知る旅へ~
2026.03.19
プロジェクト実証レポート

ライフスタイル転換のための仕掛け=プロジェクト

 

脱炭素に貢献するけど、脱炭素だけではない。

プロジェクトを通じて、

楽しい、かっこいい、ワクワクする魅力的な「変化」が起こっています。

 

今回は、「里山や地域循環について知る機会の創出プロジェクト」を始めた、株式会社ビオスタイル 本山 喜之さん※現在は退職(以下、本山さん)と、株式会社JTB 藤本 直樹 さん(以下、藤本さん)に、プロジェクトに対する想いについてお話を伺いました。

 

「里山や地域循環について知る機会の創出プロジェクト」の取組内容はこちら(https://doyoukyoto2050.city.kyoto.lg.jp/projects/satoyama/をご覧ください!

京創ミーティング参加の動機

藤本さん:当時、本山さん、堤さん(堤淺吉漆店)、松本さん(大丸松坂屋百貨店)がいて、この3社で”モノの源流を巡る”というコンセプトを一緒に検討していました。これを進めていくにあたって、ツーリズムにおける脱炭素化のための勉強会を進めていく話があった時に、本プロジェクトのコーディネーターである前田さん(株式会社よい根)から声をかけてもらいました。その後、一年目はGOOD NATURE STATIONと連携して、ツアーをしましょうということになり、そのツアーの窓口として関わったのが最初ですね。

本山さん:京創ミーティング事務局の井上さん(京都市環境保全活動推進協会)のメールでのお誘いからスタートしたと思います。当時コロナ渦で、多様な情報を収集していく立場だったことも、プロジェクトに参加したきっかけになりました。

(写真:本山さん)

 

 

参加時の懸念や期待

本山さん: 立ち上げの段階だったので、僕らとしては、これから弊社の施設にプラスになることにアンテナを張って、色々な方と関わることのできるタイミングでした。そういう意味で懸念も期待もなく、フラットな感じですね。

藤本さん: 当時、会社でも2050年にカーボンニュートラルを達成する「脱炭素目標」を決めるなど、事業全体の脱炭素化実現に向けた検討や取り組みが始まっていましたので、例えば「脱炭素ツアーを実際に京都でやったらどうなるか」など情報収集できるという期待がありました。他にも、未来に対して新しいアクションを起こそうとしている3社が何を考えているのかとか、実際にツアー化するプロセスの中で、本山さんが仕入れの方々とどのように関わっているかといった点についても解像度が上がれば良いなという期待がありました。

― 確かにこのツアーをつくるにあたって、様々な人との連携が必要だったと思います。このプロジェクトで、その具体的なところを知る機会になったということなんですね。

(写真:モノの源流を巡る循環ツアーの様子)

 

 

京創ミーティングを通して、望んでいた連携

本山さん: 望む連携というのがあったわけではないのですが、逆にないところから新しいものが生まれるきっかけになったと思います。例えば、一緒にやっていた小売分野の3社がそれぞれの取り組みを共有しながら、お客様にとってより良い方向性を一緒に考えられたのは良かったと思います。

藤本さん: ツーリズムは、小売りと比べるとサステナブルを起点とした商材がまだ遅れていると思っています。逆にGOOD NATURE STATIONはサステナブルを起点として消費者との良い関係を形成されています。その小売りのモデルをきっかけに、サステナビリティを求める旅行者に体験という形でどう提供していけるかを学ばせていただける機会になると思い、関わっていました。

(写真:モノの源流を巡る循環ツアーの様子)

 

― 本山さんも何か学んだことはありましたか。

本山さん: やりたいことを実現する難しさと継続性です。支援に頼らずに、利益を追求しながら体制を整える、その持続性は今でも課題だと思います。トライアルっていう言葉は良い言葉の反面、トライアルしかできない。これがトライアルではなく、継続性を生むためには、ちゃんとした計画をしていかないといけないと思います。でも京創ミーティングという全体的な視点では、僕らのトライアルが違うところで生かされたらいいと思っています。藤本さんとつながった関係や循環ツアーが別のツアーで生かされているのであればいいのかなと。

藤本さん:実際に現在、堤さんと進めている内容としては、漆塗りを通じて銭湯やワイン食堂とコラボ商品を開発しており、その出会いをきっかけに、「その商品に使われている漆塗りを体験できる」、「それぞれの場所をめぐる」といった体験型商品を開発し、その後は継続的に販売しています。これはもともとのアイデアだった“モノの源流を巡る”というツアーをもうちょっとカジュアルにしたもので、アイデアが生かされているし、繋がっていると思いますね。
まだ実現はしていませんが、着物の循環に取り組んでおられる彼方此方屋(おちこちや)さんとも、旅行者が集まるGOOD NATURE STATIONを拠点として、四条界隈を「着物を実際に着て生活している人たちがたくさんいる場所(=彼方此方ディスリクト)」にしていく、ということを進めようとしています。このような大きな展開につながる動きもありますね。

―  最初のトライアルツアーから今まで、色々な方との連携が進んできたのですね。

(写真左:堤さん、右:藤本さん)

 

 

連携を深める上での共通点やつながりやすくするもの

本山さん: 共通意識としているコンセプトは、ブレない方がいいと思いますが、訴求したいテーマは時代に合わせてカスタマイズする事の柔軟性は必要かと思われます。
なぜなら、この5年間の間にコロナが始まり、収束して、次には原材料高騰の流れがありましたね。その後、インバウンドが急激に盛り上がりました。京都市内を取り巻く環境がこの5年間ですごく変わっています。外部環境が変わっている中で、既存のプロジェクトを押し通すと、矛盾が発生してくると思います。そういう意味では、絶えずその時代の中でプロジェクトの内容やメンバーも臨機応変に切り替えるぐらいの、フットワークの軽さが必要かなと思います。

― ちょうど直前に株式会社ヒューマンフォーラムの岩崎さんにインタビューした際、「新陳代謝」は必要ですよね、という言葉がありました。これまでは、立ち上げたプロジェクトをまずはやってみよう、という実証期間でしたが、やっと新しいメンバーを入れつつ変えていけるフェーズになってきたと思っています。ただ脱炭素ライフスタイルのビジョンへの共感は、ブレないようにしていきたいと思います。

(写真:モノの源流を巡る循環ツアーの訪問先)

 

 

京都市の事業として関わることへの期待感

本山さん: やりにくさはなかったですね。ただ僕らも株式会社ビオスタイルという企業として関わっていくので、これからの企画の中には適材適所なメンバーが新たに入ってやっていくことは必要かなと思っています。

― 前田さんにコーディネーターを担っていただきました。

本山さん: 前田さんからご紹介いただいた堤淺吉漆店をホテル事業部に紹介して、ホテルの中庭で使用していた老朽化した木の椅子を分解して、堤さんの漆の加工を施したランタンを作るワークショップを進めていますね。

― この京創ミーティングをきっかけに新しい取組につながったんですね。

 

(写真:藤本さん)

 

 

どのような事業者へ参画を勧めたいか

本山さん: コンビニ、スーパー、調剤薬局、ガソリンスタンドなど地域密着型の店舗のような、京都市の方が日常的に利用しているところを巻き込んでいくことに意義があると思いますね。

― なるほど。市民とのタッチポイントの多い店舗に関わっていただけるような仕掛けも必要ですね。

 

 

事務局への提案

本山さん: 日常においてふと疑問に思うような事を、問題として投げかけたら、その問題に詳しい専門家を紹介してもらえるような「つなぎ役」になってもらえるといいかなと思います。企画書を出すということではなく、ふんわりした困りごとでもいいので気軽に相談できる方がいいですよね。

(写真:モノの源流を巡る循環ツアーの様子)

 

 

ツアーに参加された市民の方の反応や変化で印象的なこと

本山さん: 例えば、新京野菜もそうですが、京都市の人が京都や地元を知らないってことは、まだまだあるとすごく感じましたね。

藤本さん: 自分自身の変化として、ものを買うときに、これまでは「高い方が良いものだ」という判断基準だったところが、「自分がそのものに対してどこにどれぐらいの価値を感じるのか」という見方でものを見るようになりましたね。食べ物もそうですが、陶器なども「どんな土を使い、どのような工程で作られているのか」といった背景を、このツアー通じて知ることができました。自分にとって価値のあるものを判断する直感的なセンサーが自分の中で育まれていることが自分に起きている変化ですね。ツアーに参加されている方々からも同じようなお声はよく聞きます。単体でそのものだけを見ていてもわからないことも、周囲のストーリーや背景を知っていく中で磨かれていく感性なのだと感じました。ものがあふれる現代だからこそ、大切にしていきたい、磨いていきたい感性ではないかと思います。

― プロジェクトを実施されているご自身の変化が起こっているのは、とても大事な変化ですね。

 

(インタビューは、2024年10月に実施しました。)

Profile
Und.
漆の複合施設

住所 :京都府京都市下京区間之町通松原上る稲荷町540番地
営  :11:00~18:00
休  :第2・4土曜日、日曜日、祝日定休

※営業情報は2025年3月時点のものとなります
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堤 卓也
株式会社堤淺吉漆店代表 / パースペクティブ共同代表

明治42年創業の漆屋の4代目。採取された漆樹液から受け継がれてきた伝統工法や、新たに開発した高分散精製工法を駆使し、文化財修復や伝統工芸など現場のニーズに合わせた様々な漆を作りだす。1万年前から日本の風土で使われてきたサステナブルな天然素材「漆」を、次の時代に継承するべきものとして、「SURF×漆」「BMX×漆」「SKATE×漆」など伝統の枠に囚われない漆の可能性と、植栽の輪を広げる活動を進めている。
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タグ: #循環ツアー

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