京都市「中小企業脱炭素経営セミナー」(第3回)を開催しました!
京都市内の中小企業等がカーボンニュートラルによる企業価値の創出と、新たなビジネス展開に向け、京都商工会議所と協力して「中小企業脱炭素経営セミナー」を開催(全3回)。
令和6年度の最終回となる第3回のセミナーでは、脱炭素の貢献度を可視化する「デカボスコア」を展開するEarth hacks株式会社デジタルコンテンツ開発部部長の山本海斗氏、ごみを通してわくわくする社会を目指す株式会社ごみの学校代表の寺井正幸氏を講師に招き、中小企業を対象とした「脱炭素経営」について学ぶセミナーを開催しました。
今回のセミナーは、合計18名(うち、オンライン参加7名)の方にご参加いただきました。まず、会場となったウエダ本社から京都市内での脱炭素経営の機運を高めるという本セミナーの趣旨等をお伝えいただきました。
次に山本氏より、Earth hacks株式会社の成り立ちやデカボスコア事業を紹介。日本人のソーシャル行動意識として、「楽(ラク)・得(トク)」が社会行動に重要であることやCO2削減率を可視化する重要性の説明がありました。また、実際にデカボスコアを算出した京都の布団や和ろうそくをはじめ、イベントのデカボスコア化など、全国で広がっている様々な取組をご紹介いただきました。
その後、参加者全員で「デカボmyスコア」にチャレンジ。個人の年間のCO2排出量を計測できるツールで、参加者個人の脱炭素な行動を計測。日本人の平均は年間8トンとのことですが、参加者の計測結果は、5トン以下が4名、5~8トン未満が6名、8トン以上が1名と平均より低い結果となりました。
続いて、ごみの学校の寺井氏より、ごみの現状やごみの処理システムについてお話いただきました。今後世界で人口増加が進み資源が枯渇する中、今ある資源をいかに有効活用するかが大切であると指摘。また、日本におけるごみの課題として、焼却炉のコスト、埋め立て処理施設の限界、地域経済の停滞などがあげられ、地方の人口が減少する中で、地域の仕組みをどう変えていくかが重要になってくるとご説明いただきました。
その後、「サーキュラーコミュニティー」というシュミレーションカードゲームをグループに分かれて実施。ゲーム内では、機械製造業や小売業、行政など各業界に分かれて、情報収集や交渉を通じてそれぞれの目的達成を目指して行動していきました。
会場では、実際に参加者グループが各業界を演じながら、資源循環という切り口で地域課題や社会課題の解決を目指して、それぞれの業界ブースを訪れて、コミュニケーションを行いながら盛り上がりました。
終了後には地域の状況メーターがどのように変化したのか、各業界の状況を含め、どんな社会になったのかを参加者で確認しました。
ゲーム後に寺井氏から、「環境の変化に対応できていないことや自社スキルの限界などの正しい理解が必要で、その本質的な課題はコミュニケーションを通じて見つけ出すことが重要。」と説明。
最後に、ウエダ本社より「今回のセミナーの学びを今日からできる脱炭素の一歩として企業の皆さまに持ち帰っていただけると良い。」とコメント。また、京都市から脱炭素ライフスタイル推進事業の取組の紹介や事業者連携を促進するプラットフォームを案内。締めに、脱炭素経営に関する相談窓口を設けている特定非営利活動法人KES環境機構の長畑氏から「自分の中だけでは解決できないことが多いため、外に持って出ていき、行政や企業の壁を越えて協力していくことが持続可能な経営と社会につながる。」とお話いただきました。