大切にしていたものや毎日使っていたものが壊れたとき、処分したり、新しいものに替えようと思ったりすることがありますよね。
けれど選択によっては、また使えるようになるかもしれません。
京都市が目指す2050年カーボンニュートラルに向けた「DO YOU KYOTO?アクション」のひとつに、「日用品を長く使う」「修理して使う」があります。

修理を取り入れることで、日用品を長く大切にして、消耗品の新規購入を半分にできた場合、1人あたり年間約90kgものCO₂削減につながるといわれています。
「リペアカフェ」は、まさにこのアクション「日用品を長く使う」「 修理して使う」を体験できる場所。
2025年11月に、有限会社ひのでやエコライフ研究所で開催された「リペアカフェ」を、2050MAGAZINE編集部のメンバーが見学してきました!
リペアカフェとは?
「リペアカフェ」は壊れたものを持ち寄り、専門家やほかの参加者と一緒に、みんなでモノを修理する場です。壊れてしまったけれど、まだ使いたいと思うものがあれば、気軽に持ってきて修理に挑戦することができます。
2009年にオランダ・アムステルダムで始まった「リペアカフェ」は、地域のボランティアによって支えられ、いまでは世界中に広がっている取り組みです。
自分で手を動かして直すもよし、修理の専門家である「リペアラー(修理をする人)」にお願いするもよし。場合によっては、プロの修理ショップを紹介してもらえることもあります。
壊れたおもちゃや破れた服、電化製品など、参加者が持ち寄るものはさまざまです。

2025年11月の「リペアカフェ」には、京都で「***in Residence Kyoto」(アスタリスク・イン・レジデンス)の滞在をしていた、エンジニアのConnor Kirkさんが3Dプリンターを使ったリペアラーとして参加されていました。写真は「デジタルカメラのピントがうまく合わない」という相談を受けるConnor Kirkさんの様子。
会場には、家電を抱えて相談に来る方やリペアカフェの常連さん、親子連れや若い参加者まで、幅広い世代の姿がありました。
今回は、実際に参加者が「リペアカフェ」に持ち込んだモノを紹介します。
※製品の取り扱いについては、必ず取扱説明書をご確認ください。
※電化製品の修理は、原則としてメーカーにご相談ください。
※電化製品によっては分解を推奨していないものもあります。安全面に配慮しつつ、リペアカフェでは自己責任での修理を行っています。あくまで参考情報としてご覧ください。
Case 01|ドライヤー

4年ほど使用をしてきたドライヤーのTURBO(ターボモード)だけが上手く機能しない状態になっているが、「見た目もまだ綺麗なので、直したい」とリペアカフェに初参加された岩崎さん。

ホコリの詰まりや接触を確認し調整を進めたところ、最終的にTURBOが復活。元通り使えるようになりました。

「リペアカフェに持ってくるまでは、ドライヤーの故障はちいさな個人の悩みごとだったが、リペアカフェでは参加者やリペアラーの方が真剣に向き合って考えてくれるのが新鮮でうれしかった。学びの多い時間だった」と話してくれました。
Case 02|デジタルカメラのバッテリーのふた

能登の被災地での活動中にカメラを落としてしまい、バッテリーを押さえる蓋が閉まらなくなったTさん。思い出や趣味の撮影で日常的に使っていたカメラで、手放せない一台だったそう。
蓋の留め具の部分が歪んでいることが原因だと分かり、リペアカフェでは3Dプリンターで新しい部品を制作することになりました。
3Dプリンターで製作した、カメラのバッテリーの留め具。

微調整を重ねて、最後にはカチッと気持ちよく蓋が閉まりました。
この日も、友人が出演するという音楽イベントに参加予定だったというTさん。
きっとこのカメラで、素敵な写真が撮れたことでしょう。
Case 03|癒やしのおもちゃ犬
修理を見守る一家
地元に住む祖父母から、孫へと引き継がれた柴犬型のおもちゃ。
スイッチを入れると、ダンスをしたり、かわいい歌をうたってくれる仕掛けがあるのですが、前足だけがうまく動かなくなっていました。

リペアカフェで分解してみると、モーターの歯車が一箇所うまく噛み合っていないことが原因と分かり、その調整を進めました。
一度動いても、また止まってしまう…ことを繰り返し、歯車の部品を購入して差し替えれば直る可能性が高いという可能性を導き出すことができました。

思い出の詰まったおもちゃ、これからも長く愛されますように。
Case 04|こどものお気に入りの靴下
お子さんのお気に入りである、キャラクターが描かれた靴下。穴があくたびに自宅で工夫をして直していましたが、うまくいかず悩んでいた鍛治さん。

当日は、洋服を山口県で作られている藍さんがリペアラーとしてアドバイスしながら一緒に修繕をしました。糸を交互に重ねる「ダーニング」の手法を学び、短時間で穴がきれいにふさがりました。
お子さんもすぐに靴下を履いて、とても嬉しそうでした。今後また穴があいても、つぎは自分で直せそうですね。

修理や修繕と聞くと、プロにお金を払って直してもらう、というイメージが浮かぶかもしれません。
でも「リペアカフェ」はすこし違って、みんなで“直してみる”という考えで開催されています。
完璧に直らないこともあるけれど、どこが壊れているのかに気づいたり、そのモノに込められた思い出やストーリーに向き合う時間が大事にされています。
参加者の中には「完璧には直らなかったけれど、ここまで試せたから気持ちが晴れた。これからは部品交換がしやすいモノを選びたい」と笑顔で話す方もいました。
今回のリペアカフェでは、見学の合間に私自身も修理の工程を体験することができました。
機械の構造が見えてくる面白さや、「直してみる」ことの楽しさに触れ、修理へのハードルがぐっと下がったように思います。
リペアカフェの今後の開催情報は、有限会社ひのでやエコライフ研究所のウェブサイトで随時更新されているので、気になる方はぜひ覗いてみてください。
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家庭での環境問題に関する取組支援
環境負荷の少ない生活(エコライフ)を広め定着させることを目的に、エコライフに関する情報収集・提供などを行う。独自の視点とアイディアと開発技術を持ち、行政、企業、団体の方たちとの出会いと環境問題を解決したいという双方の想いを大切にしている。アプリ開発、ワークショップの企画運営、自転車発電装置の提供など実績多数。 有限会社ひのでやエコライフ研究所の記事一覧へ >


