KYOTOVEGAN COLUMNとは
京都のプラントベースの食や体験にまつわるお話を中心に、レストラン情報やさまざまな取り組み、商品・サービスなどをご紹介。
本コンテンツでは、2050京創プラットフォームに紐づくプロジェクト「菜食対応のメニューを提供する店舗の見える化」のプロジェクトオーナーである『KYOTOVEGAN』のウェブサイトに掲載されているコラムから、選りすぐりの内容をお届けします。
※本記事は過去に公開されたコラムをもとに再編集しています。表現や状況に時差がある場合がありますが、ご了承ください。

「サステナビリティ」という言葉を、最近よく見聞きします。企業のミッションや商品パッケージ、事業戦略のなかに当たり前のように登場して、ときにはその言葉自体が主役になっている。
本来は姿勢や取り組みの結果として現れるはずのものが、いつのまにか”目的”として掲げられている。そんな場面が、少なくない気がします。
坂ノ途中を訪れたとき、そこには少し違う空気が流れていました。
農業の話、環境負荷の話、流通の仕組みについても伺いました。でもあとから振り返って強く残っているのは、理論や定義ではなく、その場の雰囲気です。打ち合わせのあと、社員のみなさんと一緒に昼食をいただきました。自然に人が集まり、会話が重なり、笑い声が広がる。にぎやかなのに落ち着いていて、あたたかいけれど演出された感じがない。「価値観を示そうとしている職場」ではなく、すでにその価値観が日常に溶け込んでいる場所、という印象でした。

出発点にある問い
坂ノ途中は「環境負荷の小さい農業を支える会社」と紹介されることが多く、その説明は間違っていません。ただ実際に話を聞いていると、彼らが立っている問いの位置が少し違うように感じました。
「どうすれば農業をよりサステナブルにできるか」よりも、「どうすれば農業を続けられる形にできるか」から出発しているのではないか、と。
提携している農家さんの多くは新規就農者です。収量は天候や季節に左右され、量も形もその年その時期によって変わります。一般的な流通では、そうした不安定さは効率化の対象として均一に整えられていく。でも坂ノ途中は、その揺らぎを前提として受け止めています。収穫できれば出荷する、難しければ無理はしない、量が少なくても規格から少し外れていても流通にのせる方法を探る。それは理想論ではなく、農家が無理なく続けていくための、実践的な選択に見えました。
成果ではなく、継続を支える
印象的だったのは、会社の成長の仕方です。急激に規模を拡大するのではなく、課題が現れるたびに一つずつ向き合いながら、ゆっくりと広がってきたといいます。
不安定な収量でどう販売するか。少量でもどうやって流通させるか。農家同士が情報を共有して次の年につなげる仕組みをどう整えるか。こうした問いは、すぐに数字や成果として現れるものではありません。それでも丁寧に向き合い続けることが、農業を「続けられるもの」にしていくのだと感じました。
ここでのサステナビリティは、達成すべき目標というより、継続そのものを指しているように思えます。農家が農業を続けられること。食べものが循環し続けること。人と食との関係が途切れないこと。それらが自然に重なり合っている状態。
閉じない仕組み
もう一つ心に残ったのは、その開かれた在り方です。坂ノ途中の取り組みは、特定の価値観を持つ人だけに向けられているわけではありません。ヴィーガンである必要も、環境問題に強い関心がある必要もなく、「食べる」という日常の行為を通して、誰でも関われます。
サステナビリティがラベルとして強く提示されると、ときにそれが境界線になることがあります。「自分はそこまで意識が高くない」と感じた人を、遠ざけてしまうこともある。でも坂ノ途中は、言葉や主張を前面に出すのではなく、野菜が届くこと、忙しい日の食卓にそっと入り込めることといった、日常の延長に仕組みを置いています。参加するために、特別な宣言はいりません。
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コラムの続きはKYOTOVEGANのウェブサイトから。
サステナビリティを特別なものとして掲げるのではなく、農業や食卓を続けていくための日々の選択として捉える坂ノ途中のあり方。その考えから生まれた動物性食材不使用のカレーや、KYOTOVEGANとの重なりについて、KYOTOVEGANで詳しく紹介しています。ぜひ本編をご覧ください。
(執筆:Fatima Imran /Sustainability Analyst・久田愛理)
ヴィーガンコンテンツの開発導入支援、店舗紹介
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