KYOTOVEGAN COLUMNとは
京都のプラントベースの食や体験にまつわるお話を中心に、レストラン情報やさまざまな取り組み、商品・サービスなどをご紹介。
本コンテンツでは、2050京創ミーティングに紐づくプロジェクト「菜食対応のメニューを提供する店舗の見える化」のプロジェクトオーナーである『KYOTOVEGAN』のウェブサイトに掲載されているコラムから、選りすぐりの内容をお届けします。
※本記事は過去に公開されたコラムをもとに再編集しています。表現や状況に時差がある場合がありますが、ご了承ください。
「植物性」の未来は、もう始まっている
かつて「代替」や「制限」の象徴として見られていたヴィーガンという選択が、より一層、注目度を高めています。
現在開催中の大阪・関西万博では、数々の企業が「植物性」というキーワードを掲げて新たな提案を行っています。チーズ、パン、包装素材、食体験。かつて動物性原料が当たり前だった分野に、植物性での再解釈が急速に進み、ヴィーガンという選択肢が、様々なジャンルの垣根を越えて、より良い未来へと広がっています。
この流れは偶然ではなく、時代の必然だと考えています。気候変動、人口増加、資源の枯渇といったグローバルな課題に対し、「植物性」はひとつの強い解答となりうるからです。そして今、わたしたちはその過渡期に生きています。
QBBが挑む「ヴィーガンチーズだけのレストラン」
兵庫に本社を持つ六甲バター株式会社は、長年親しまれてきた「QBBベビーチーズ」でよく知られていると思います。その企業が大阪・関西万博で展開するのは、なんと「オールヴィーガンのチーズ代替食レストラン」。動物性原料を一切使用せず、独自開発した植物性チーズ「QBB Plant Based」シリーズを使った料理のみで構成された、画期的なレストランです[¹]。
「チーズ=動物性」という前提を覆すこの挑戦は、単なる代替ではなく、むしろ、植物性だからこそ実現できる軽やかさやクリエイティビティ、さらには地球環境への配慮をもった新しい価値提案と言えるでしょう。食の分野におけるヴィーガンは、いまや“足りないもの”ではなく、“新たな選択肢”として立ち上がり始めています。
パンもサンドイッチも、STYLE BREADが植物性で提案
同じく万博出展中のSTYLE BREADは、パンやサンドイッチという日常的な食品に対し、ヴィーガン対応のレシピで新たな魅力を追求しています。これは、単にバターや卵を抜くという消去の発想ではなく、植物性素材の風味や個性を生かした豊かさの再構築です[²]。
このような企業の動きからは、「ヴィーガン=制限食」という時代が終わり、「ヴィーガン=未来をひらく選択肢」へとパラダイムがシフトしつつあることが見て取れます。
包装素材にも、植物性の波——三菱ケミカルのDURABIO®
食品そのものだけではありません。三菱ケミカルが開発する「DURABIO®(デュラビオ)」は、植物由来のイソソルビドを原料にした高性能ポリマー。自動車部品や電子機器だけでなく、食品包装材としての可能性も示唆されており、万博でも展示されています[³]。
素材開発の分野においても、石油由来のプラスチックを植物性素材に置き換える動きは世界的に加速しており、「循環性」や「地球との共生」が強く意識されるようになっています。こうした技術革新と食のトレンドが同時に進行している今、ヴィーガンの可能性は食卓の上だけでなく、食を取り巻く環境全体にまで拡張されつつあります。
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コラムの続きはKYOTOVEGANのウェブサイトから。
食と社会のつながりに光をあて、未来への視点を掘り下げていきます。ぜひご覧ください。
— 脚注リンク一覧 —
[¹]QBB 万博出展特設サイト
▶︎ https://expo2025.qbb.co.jp
▶︎ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001944.000016751.html
[²]STYLE BREAD 万博出展に向けたnote記事
▶︎ https://note.com/pand_stylebread/n/n7480f7670961
[³]三菱ケミカル DURABIO® 製品情報・ニュースリリース
▶︎ https://www.m-chemical.co.jp/products/departments/mcc/pc/product/1200363_9344.html
▶︎ https://www.mcgc.com/news_release/02270.html
ヴィーガンコンテンツの開発導入支援、店舗紹介
数ある選択肢からヴィーガンを選ぶことも認め合えて、
ライフスタイルの多様性が肯定される世界を京都から実現することを目指し、
ヴィーガンを通してどんな人も肯定される社会を考え、創り続けることで
世界で最も寛容な“京都発のヴィーガンカルチャー”を育てます。 合同会社KYOTOVEGANの記事一覧へ >